おはようございます。
昨日、抗がん剤に関する延長登録拒絶審決の取消訴訟について、大合議判決がされました。
特許庁の拒絶審決を取り消す判決です。
http://mainichi.jp/select/news/20140531k0000m040055000c.html
米国のバイオ企業ジェネンテック社が結腸・直腸がん治療薬の特許延長を求めた訴訟の判決で知財高裁は30日、同社の請求を認め、延長を認めなかった特許庁の審決を取り消した。飯村敏明裁判長は「新たな用法や用量で製造販売の承認を得た場合も特許延長の理由になる」と認めた。
特許法は、特許を独占する期間を出願日から20年と定めるが、医薬品は薬事法に基づく製造販売の承認を得られないと特許を利用できないため、最大5年の延長制度がある。
判決によると、同社は07年に「投与間隔は2週間以上」などとして製造販売の承認を受け、09年に「3週間以上」などと用法・用量を変更して再度承認を得た。2度目の承認を根拠に特許延長を求めたが「成分や用途は変わらない」として特許庁は認めなかった。
同社は「治療と副作用の効果が近接している抗がん剤は用法・用量が極めて重要」と主張していた。【山本将克】
まだ、判決を精査できていませんが、厚生労働省の許認可に準じて、延長登録を認めるべきという判決で、概ね妥当なのではないかと思っています。
http://www.ip.courts.go.jp/hanrei/g_panel/index.html
特許権の延長登録制度及び特許権侵害訴訟の趣旨に照らすならば,医薬品の成分を対象とする特許発明の場合,同法68条の2によって存続期間が延長された特許権は,「物」に係るものとして,「成分(有効成分に限らない。)」によって特定され,かつ,「用途」に係るものとして,「効能,効果」及び「用法,用量」によって特定された当該特許発明の実施の範囲で,効力が及ぶものと解するのが相当であると判断した。