昨日、INFOSTAの「情報の科学と技術」2017年7月号が届きました。
特許情報と人工知能(AI)が特集されています。さっと、特集記事全部に目を通してみました。
人工知能を過大評価する風潮もあり、記事の中にはそのようなものもありましたが、この特集を読むと、むしろAIの専門家のほうが、AIができること、できないことを慎重に考えているようです。
特許文書は請求項が独特で、技術内容の専門性も高く、解析が難しいという専門家のコメントもありました。
特集の最後は、企業の知的財産部門で調査のマネージャーをされている方の論文ですが、AIはX文献を探すことはできても、進歩性を否定する文献の組合せや論理づけは困難というコメントがありました。同感です。
この企業さんでは、通常は研究者が調査を行っており、検索の容易さと関係する段落が表示される点を評価して、AIを使った特許検索システムを導入したとのことです。
侵害予防調査の漏れチェックにも活用しているそうです。
現状、調査漏れを減らしたい場合や調査精度を重視する場合には、調査担当が特許分類とキーワードを使って調査しているとのこと。
インターネットが普及して、郵便や電話の利用は減りましたが、人間の仕事が減った訳ではありません。自動車が普及して馬車は利用されなくなりましたが、むしろ雇用は拡大しました。
AIが仕事を手伝ってくれるのならば、人間はそれ以外の別の仕事をすれば良いだけです。
AIが人間の仕事を奪うというのは、幻想でしょう。