スマートフォンの価格の約30%は特許ライセンス料であるという記事が載っています。
一方、DVDプライヤーの場合は、製品に占める特許ライセンス料は10%程度とのことです。
これを高いとみるのか、それほどでもないと見るのか、難しいところです。
携帯電話の高速通信や低消費電力のチップ等を開発するのは、DVDの何倍ものリソースが必要なはずです。そして、スマートフォンに使われる技術は、通信のみならず、ソフトウェアや表示装置(液晶)、電池など多岐に渡っています。
そうすると、スマートフォンの特許ライセンス料が、DVDの3倍程度であっても、それほど高くないという見方もできます。
通信の標準必須特許においては、0.数%の安いライセンス料率が適用されていると言われています。しかし、必要な特許の数が数万単位になれば、金額も高くなります。
仮に特許制度を止めてしまえば、携帯電話の標準となる技術を開発しても、標準化団体に加わらない会社に勝手に技術を使われてしまい、投資を投資を回収できないことになります。
問題は、特許制度が不要なのではなく、どの程度の金額が妥当であるのかという、最適化の問題でしょう。
技術標準の場合を考慮すれば、現在の損害賠償額は低い訳ではなく、むしろ高いという議論にもなると思います。
http://www.excite.co.jp/News/it_g/20161222/Slashdot_16_12_22_0831248.html
MozillaでAssociate General Counselを務めているJishnu Menon氏が、「スマートフォンの価格のうち30%は特許使用料」なるエントリをMozillaの「Open Policy & Advocacy」ブログで公開している。
一般的なスマートフォンには、数百の企業が持つおよそ25万もの特許が関連しているという。ちなみに、DVDプレーヤーの価格に対する特許使用料は10%ほどに過ぎないそうだ。
また、コンポーネント毎の特許料とハードウェアコストについても分析されているが、特に特許料が高いのは携帯電話網用の無線通信チップで、ハードウェアコストは13ドルに対し特許使用料は54ドルも掛かっているという。また、無線LANコンポーネントはハードウェアコストが4ドル、特許料が50ドルだそうだ。