昨年度実施されたJ-PlatPatアンケート結果が公表されています。
J-PlatPatユーザーは、毎日利用している方が多く、 「出願又は審査請求等を行うにあたっての国内外の先行技術調査」、「審査経過、書類等の確認」、「権利の簡易調査」を目的としている方が多いようです。
また、大企業のユーザーも28~34%と少なくないようです。
データベースベンダーが言う、「大企業ユーザー」や「毎日利用する方」には、商用データベースを利用して欲しいという気持ちは理解します。
ですが、簡単な調査を行うだけの方に、月額数万円の商用データベースを契約してもらうのは、やはり難しいと思います。
http://www.inpit.go.jp/j-platpat_info/othersinfo/h27fy_j-platpat_lecture_qs.pdf
ご回答いただいた方の属性は、「知財関係(調査、事務・管理)」及び「企画・開発・研究」を担当されている「会社員」の方が中心で、「大企業」と「中小企業」は同程度、業種又は専門分野においては「機械・精密機械」が一番多く、次いで、「化学・繊維」、「電気」、「情報通信」といった分野が多く、ご回答いただいた方の約半数がJ-PlatPat を「ほぼ毎日」利用されている、といった結果となった。
J-PlatPat を利用する目的は、「出願又は審査請求等を行うにあたっての国内外の先行技術調査」が最も多いが、「審査経過、書類等の確認」も次いで多かった。これに連動し、J-PlatPat を利用することで得られたメリットとして、「経過情報や書類の確認により手続の効率化」が最も多く、「先行技術調査による出願や審査請求の厳選化」が続いた。
サービスごとの利用については、概して、「特許・実用新案の検索サービス」の利用が多い。
使い勝手について、特許電子図書館(IPDL)とJ-PlatPat に対し5段階評価をしていただいたところ、IPDL よりJ-PlatPat を評価する回答が多かった。
追加してほしい機能として、「審査書類情報の印刷機能」や「パテントファミリー外国案件の参照機能」について多くの要望があることが見て取れた。
4.まとめ
2.の利用者アンケートは、期間を限定し、工業所有権情報・研修館ホームページ上で記名式にて実施しました。
属性情報、利用頻度などの結果から、J-PlatPat ユーザーのうち、比較的利用頻度の高いヘビーユーザーでありJ-PlatPat に対し積極的な意見を持っている方が本アンケートへ多くご回答いただいているように推測されます。
本アンケートより、ヘビーユーザーが「特許・実用新案テキスト検索」や「経過情報番号照会」を利用して、「出願及び審査請求の厳選化」や「手続きの効率化」といったメリットを得ることができた、という利用サービスと得られたメリットとの関係が見て取れました。
また、このようなユーザーは総じてIPDL よりJ-PlatPat を評価しており、追加してほしい機能として「審査書類情報の印刷機能」や「パテントファミリー外国案件の審査経過等の参照機能」を多く望んでいることが見て取れました。
3.のアンケートは、J-PlatPat 上で通年にわたり無記名式にて実施しました。
本アンケートは、全てのJ-PlatPat ユーザーの目に触れるトップページからアクセスすることができ、また、属性情報、利用頻度などの結果から、J-PlatPatユーザーの幅広い層の方が本アンケートへ回答いただいたと推測されます。
2.の(ヘビーユーザーが多いと推測される)アンケートに比べ、権利の簡易調査を利用目的に挙げている方が多い結果となり、また、J-PlatPat を利用する理由として、「料金が無料」とした回答が最も多く、次いで、「利用開始にあたり面倒な手続が不要」「情報が信頼できる」といった回答が多い結果となりました。
総じて、簡単な権利調査を行うために、無料ですぐに始めることができるJ-PlatPat を利用する、という利用目的とサービス選択の理由との関係が見て取れます。