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「化学情報協会におけるインフォプロ育成」

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こんにちは。


情報管理1月号に、「化学情報協会におけるインフォプロ育成」という論文が掲載されました。

STNを提供している、化学情報協会の方が執筆されています。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/56/10/56_669/_html/-char/ja/

化学情報協会(JAICI)は,30年以上にわたるSTN,SciFinderの販売・ユーザーサポート,CAの抄録・索引作成業務に加えて特許庁登録調査機関として特許審査のための先行技術調査をほぼ10年間行っており,多くのインフォプロを育成してきた。近年,特許を主体とする一般向け調査・検索サービスを開始するにあたり総合的なインフォプロを育てることになった。その背景と過程を化学および化学関連分野のインフォプロ育成の一例として紹介する。


表2化学分野のインフォプロの必要条件

1.化学および化学関連分野のバックグラウンドを有すること
(有機化学関連分野が望ましい)
2.化学を中心とする幅広い科学技術知識を有すること
3.STNのほぼすべてのファイル(データベース)を使いこなせること
4.STNのあらゆる機能および料金体系に精通していること
5.特にCAファイルの索引に精通していること
6.特許調査に必要な範囲の特許法に精通していること
7.日本特許の調査に不可欠なFI,F-ターム,および各種特許分類に精通していること
8.さまざまなタイプの特許調査に実戦的に対応できること
9.特許が読め,特許・論文のスクリーニングができること


多くのメーカーでは理系出身ではないインフォプロが活躍されているが,当協会では実務を通して化学の基礎的知識を身につけることは困難であるため,化学系出身者であることを第1の条件とした。なお,一般的にインフォプロに求められる資質(緻密さ,臨機応変能力,コミュニケーション能力など)については,本稿では触れないことにする。


化学情報協会では、化学に特化した調査を請け負っているため、サーチャーの資質として、化学系出身者であることを第1の条件としているとのことです。


調査実務をしながら、技術内容を学ぶことも不可能ではありませんが、化学や生物といった学術的で専門的な分野は、バックグラウンドがないと、技術内容を理解するのが困難と思います。


サーチャー向けの教育というと、検索とデータベースの使いこなしばかり紹介されている感がありますが、特許公報の内容を理解できないことには、質の高い調査はできません。


特許調査も特許業務の一つですから、技術内容の理解や新規性の判断といった特許実務能力が必要なのは、論を待ちません。

特許調査教育というと、検索とデータベースに偏った内容が多いですが、少々違うのではないか常々思っています。


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