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Channel: 知的財産と調査
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新商標:音や色の出願、1週間で500件

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おはようございます。

音や色彩など、新しいタイプの商標について、この1週間の出願数が500件を超えたとのことです。


ただし、そのうち471件は、施行初日の4/1に出願されています。4/2以降の出願はそれほど多くありません。


http://mainichi.jp/select/news/20150408k0000m020086000c.html

 商標登録の対象はこれまで、文字や図形などに限られていたが、4月1日施行の改正商標法で、「音」「色」、映像上のロゴマークの「動き」「ホログラム」、製品に付けるマークの「位置」が追加された。特許庁によると、初日の1日だけで471件の申請があり、このうち音が144件、色が190件。登録されれば、独占的な使用権が認められる上、政府間協定により、外国への出願手続きも簡単になる。


 久光製薬は約25年前からテレビCMなどで使っている「ヒ・サ・ミ・ツ♪」のメロディーなどを出願した。すでに世界約50カ国で同様の商標を出願済み。米国やオーストラリアなどでは登録されており、日本でも音や色を登録できるよう政府に働きかけてきた。


 江崎グリコは、テレビCMで1992年から使っている「グ・リ・コ♪」の旋律を、大幸薬品も正露丸のテレビCMで使われる「パッパラパッパ♪」で始まるラッパのメロディーをそれぞれ出願した。


 玩具大手「タカラトミー」は列車を走らせて遊ぶおもちゃ「プラレール」の線路の色の青を出願。同社は59年の発売時からレールにこの色を使っており、広報担当者は「プラレールといえば青色。登録でブランドイメージをさらに向上させたい」と強調する。セブン-イレブン・ジャパンも、コンビニエンスストアの店舗に使うオレンジ、緑、赤の3色の組み合わせを出願した。特許庁の審査を経て、数カ月後に順次登録される見通しだ。



以前、メルマガ等で採り上げましたが、米国など外国でも、音の商標等の出願や登録は多くありません。日本では必要性が高くなかったため、今まで保護対象になっていなかった面もあります。

4月中旬以降は、新しいタイプの商標出願も落ち着いてくるのではと予想しています。


http://archive.mag2.com/0001621127/20140202221735000.html


音や色彩など新しい商標については、日本は諸外国に比べて遅れを取っていたという見方もあります。しかし、以下の特許庁資料p14によれば、米国の商標登録件数は、色彩が約360件、動きは約33件、ホログラムは約15件、音が約110件と決して多くはありません。

http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/t_mark26/shiryou1.pdf

新しい商標制度の施行により、現在の商標実務が急変するということには、ならないと思われます。


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