こんばんは。
昨晩は、士業の異業種交流会に参加していました。参加者は弁護士、会計士、税理士、社労士、不動産鑑定士、弁理士と、楽しい一時でした。
会場には、昨年、司法修習を終えたばかりの若手弁護士さんも大勢おられたのですが、法科大学院と司法修習の奨学金等が数百万円あり、債務を背負ってスタートの方も少なくないようです。
国の財政が苦しいのは理解しますが、司法修習まで貸与となれば、優秀な人材が司法試験を受験しなくなってくるでしょう。
実際に、以下の内閣官房のデーターでも、司法試験の受験者は、H23年をピークに減っています。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/hoso_kaikaku/dai6/siryou27.pdf
私も昔、理工系の修士課程まで進みましたが、経済面や就職のことを考えてると躊躇があり、博士課程には進学しませんでした。
法科大学院から司法試験、司法修習というルートも、時間や金銭面のリスクが博士課程進学と似ています。
そして、弁理士試験も受験者が減っており、似た状況にあります。
出願は減り、合格者が増え、事務所への就職や知財部への異動が難しくなれば、受験者が減るのも当然です。
弁護士や弁理士のクライアントにとっては、人数が増えれば競争原理が働き、価格も安くなりメリットがあると考えるかもしれません。競争のない社会では、サービスの質が上がらないのも確かです。
しかし、専門的な仕事というのは、優秀な人材を集めて教育し、経験を積まなければ、成し遂げることができません。
専門サービスを行うのは人ですから、安い料金で仕事を頼めば、仕事の質もそれなりのものとなりますので、クライアント自身に不利益が跳ね返ってきます。優秀な人材が避ける業界も同様です。
もちろん、品質はそれなりで安い仕事を、というニーズもあるでしょうが、上述の通り、安かろう悪かろうの仕事で困るのは結局、お客さんです。
なお、一般論ですが、安い仕事を要求するお客さんほど、つまらぬイチャモンを付けてくる傾向があります。仕事を受ける側からすれば、良いお客さんではないということです。