こんばんは。
山口大学の教授が、早稲田大学で取得した博士号の返上を申し出て、現在もその考えは変わっていないという報道がありました。
http://www.j-cast.com/2015/03/10229943.html
「持っていることが恥ずかしいと感じました」――。現在、山口大学の教授を務める男性が、母校・早稲田大学に対し、博士学位の返上願を申し出ていた。
返上願は2014年夏のことだが、思い切った行動がネットの注目を集め、賛辞が送られている。小保方晴子氏の博士論文に関する大学の対応に納得できず、「価値はないと判断」し、行動に出た。
「私は1995年に早稲田大学で学位(理学)を取得しましたが、7月17日に発表された調査委員会報告書及び総長の会見を拝見し、早稲田大学の学位は無価値であり、それどころか持っていることが恥ずかしいと感じました。よって、ここに博士学位の返上を申し出ます」
結局、7月の報告書は学内外から大きな批判を浴び、早大は10月7日に1年間の猶予期間を与えつつも小保方氏の学位取り消しを発表した。しかし、坂井教授は現在も学位返上の意志に変わりはないという。
しかし、大学院で査読付論文を何通か書き、博士論文をまとめたのであれば、このような行動を取らずとも、自らの博士論文が他大学院でも通用することを証明すれば良いはずです。
この教授の行為は、単なるスタンドプレーでしょう。あるいは、自らの博士論文にも自信がないので、価値がないと判断したのかもしれません。
私もOBですが、ほとんどの方は大学院で昼夜真摯に研究を進め、修士号や博士号を取得しています。
母校の評判が悪くなったから、学位を返上したいというのは、卒業した高校や大学のレベルが下がったので、卒業証書を返還したいというのと同レベルと思います。
小保方さんの博士論文は、無断コピーがあるなど瑕疵があったとのことですが、それを見逃して学位を授与したのは大学です。修正や反論の機会を与えることなく、学位を取り消すことができるはずがありません。仮にそんなことをすれば、訴訟を起こされて負けるだけです。
訂正や答弁書提出の機会を与えることなく、特許を無効にできないのと同じです。不利益な処分をする前には、弁明の機会を与える必要があります。大学側の対応は、必ずしも不適切とは言えません。
それに、大学の対応に不満があるのなら、マスコミではなく総長や研究科長へ、上記メールのような短文ではなく、説得力のある文章で伝えるべきです。
小保方さんは私の出身学科の後輩ですが、その博士号授与時の主査(指導教授)は、他大学の出身者で博士号も他大学院で取得しています。
博士号まで取ったOBが、注目を浴びるために、マスコミに対してこのような行動を取るのは、残念としか言いようがありません。